(注)シドニー関係ないですが、このブログを放置するのも勿体ないので、今後もテキトーにお気楽にアップしていこうと思います。
アメリカに来て驚いたことの一つは“チップ”です。
日本はチップ文化ではありません。
オーストラリアはチップはあるような無いような感じですが、アメリカほどハッキリはしていません。
オーストラリアのチップについて
まずはオーストラリアでのチップ文化について私の視点でお話します。(間違っていたらご指摘ください)
高級レストランではチップを払うお客さんは多いです。
持ち帰りや安い定食屋、カフェなどは、基本的にチップを払うことはほとんどありません。*チップというか、おつりの小銭が邪魔なので、レジ前のチップ入れや募金箱などにお金を入れることはあります。
ちょっとおしゃれなレストラン、またはホテルのレストランなど、ソムリエなどがいたりして、サービスがしっかりしている店ではチップを払うことがあります。しかし強制ではありません。
サービスが良いなと感じた時に払いますが、料理を含め満足しなかったときはチップを払わないこともあります。
チップを払うのは任意です。
レストラン側もそれを承知で、ある程度の高価格のレストランではサービス料などを御会計の時に含めている場合もあります。
とはいっても、5%くらいでしょうか、あまり覚えていないですが、、、高くても10%ほどだと思います。
そしてオーストラリアにおいて、ほとんどの日本人はチップを払うことはありません。
でも中国人、韓国人、ウエスタン(オージー含め)の人は、満足してくれるとチップを払ってくれます。
そしてアメリカからの旅行客は、だいたいチップを払います。
私は和食のまあまあ高級と言われるレストランで働いていましたが、食べにくる日本人客でチップを払っていた人はごくまれです。
また、カウンターで料理を提供していると、お客さんから直接チップをもらうこともあります。大体相場は$5から$20くらいですが、たまに$50くれるお客さんもいました。
過去に一度、超スーパーVIPなお客さんが、その日働いているスタッフ全員に$100ずつのチップを払ったときもあります。
でも基本的にはそこまでチップは期待できず、時給で言うと$5~10アップくらいの感覚です。
ホールスタッフで時給$20なら、チップ込みで時給$30くらいになったらいいかなみたいな感じです。
ただ、昨今のコロナの人で不足で、資金のある会社は時給$50でオファーしているところもあったりして、ギリギリでやっている個人店などは大変な思いをしているという話も聞きます。
さて、そんな感覚でチップ大国のアメリカに来たのですが、
「チップ文化とはいっても、ただチップがほとんど強制的に支払うことになっているだけだろう」くらいの気持ちでいたのですが、蓋を開けてみるとビックリすることがたくさんありました。
【衝撃】アメリカのチップ文化
アメリカではチップを払うのは当たり前です。
当たり前とはいっても、どんな時にどれだけ払うのかなどは、アメリカに来る前は全くわかりませんでした。
しかし、今はだんだんわかってきて、チップが根強く文化としてあるアメリカはスゴイ社会だなと感じます。
他人の給料明細を見てビックリしたこと。
今私は、いったん栄養学などの勉強は中断して、アメリカ(ロサンゼルス)で飲食店の責任者として任されています(料理長兼マネージャー)*業態は引き継いでいますが新しい店です。
以前の店から働いていたスタッフもある程度引き継いで残ってくれて、その時、スタッフ全員の給料明細を見たのですが、
「???」
最初間違いかと思いました。
まず、基本的にアメリカではサービススタッフの時給は最低賃金です。
そして今の店、たぶん他の飲食店も同じだと思いますが、給料よりチップの方が額が多いです。
例えば、月$2000の給料だったとしたら、チップが$3000とかで合計$5000とかになります。
まず給料よりチップの方が高いということが信じられなかったです。(サービスするスタッフに限ります)
回転数の多い忙しい店で、高単価の店であればあるほど、チップは多くなります。
例えばディナーだけ勤務して、4-5時間働き、チップだけで1日$200-300もらえることも普通にあります。店によってはなんと$500オーバーの店もあります。
カリフォルニアの最低時給は当時$15(2022年7月からは$16.04)。
チップを含めて時給換算すると、なんと時給$60オーバー。
それなりに繁盛していた店ですが、それでもこの額は衝撃です。日によっては時給$100越えの日もあったらしく、「すごいな」と思うと同時に、「でもやっぱりキッチン(調理場)は国が変われど、時給は少ないんだな」と感じました。
チップの振り分け 誰がどうやる?
アメリカではチップは「絶対に売上には入れてはいけない」という決まりがあります。*どの国も基本そうだと思います
チップの割り振りは、経営者とか責任者が決めるのではなく、働いているスタッフが決めます。だいたいはホールスタッフのリーダー格の人が割合など決めます。
そして、そのパーセンテージはだいたいはホール7割、キッチン3割。ホールの割合がもっと多いところもたくさんあります。
また、キッチンはチップ割合が低いだけに、時給はホールより高い場合が多いと思います。
しかしスキルのあるシェフとかでない限り時給は高くなくて、調理補助・皿洗いなどは最低時給でチップもほとんどないです。
ちなみにロサンゼルスでは、ほとんどの飲食店のキッチンではメキシカンが働いていますが、ビザを持っていない人も多く、給料やチップの差などはこのような社会的理由からもあるかもしれません。
なのでキッチンは時給が低いだけに、働く時間も長時間です。
一応1日8時間と決められています。8時間を超すと時給が1.5倍、10時間越すと2倍となります。(または週で40時間以上とか)
私が計算した分には、チップを含めた時給がホールが$60に対して、キッチンは$25くらいです。
でも働く時間は、
ホールは、5-6時間働く(1日でもらえる給料は$300-360)
キッチンはぎっちり8時間働く(1日でもらえる給料は$200)、または少しオーバー。
これくらいの差があります。普通に考えて、当然サービススタッフの方をやろうと考えるでしょう。
時間効率も良いですしね。
そしてほとんどのアルバイトの人は2-3個仕事を掛け持ちしています。
ちなみにアメリカは差別に厳しい。つまり、差別すると訴訟問題などがすぐに起こるので
言動にはものすごく注意しなければならないのですが、
「キッチンとホールのチップや給料の違いは差別じゃないの?」
と思ってしまうのは私だけでしょうか?
かと言って、チップがたくさんあるからサービスが良いのか?と言われると、
日本とはサービスの質は比べるまでもないとして、オーストラリアのレストランでのサービススタッフとアメリカのサービススタッフとを比べても大差ないです。
「アメリカの方が、ちょっと頑張っているかな、、、」というイメージ。
アメリカでは多くのレストランは、自分のサービスするテーブルが決まっていて、お客さんを席に通したら、必ず自己紹介をします。そしてそのテーブルに集中してケアをする。アメリカで特に気になるのはそれくらいかな、、、
チップの相場 どれだけ払うの?
チップを支払うのが当たり前なので、よほどクレームレベルの料理やサービスでない限り、食事金額に対して
1:チップ無し
料理もサービスも最悪、問題あり過ぎ
2:チップ約10%
満足しなかった、二度と行かないレベル
3:15%
普通
4:18%
まあまあ良かった
5:20%
良かった
6:20%以上
超満足
基本15%~20%の中でチップを決めて支払いします。
みたいな感じです。ただ、お客さんによっては、めちゃ金持ちとか、たまに$100の食事して$100チップとか、チップ率100%の人とかもいたりするのでびっくりです。
めんどくさいチップの計算
オーストラリアとは違い、ちょっとトリッキーなのですが(日本に近いのかな)、
オーストラリアの場合、表示価格は税込み価格です。$10の料理なら税金約10%を乗せて、$11とメニューに表示しますが、
アメリカは基本、表示価格が税抜き価格です。なので、$200の食事をしたらお会計は$220です。
そこにさらに20%のチップ約$40が上乗せされるので、メニューでは$200と書かれていても、最終的に払うお金は合計$260になります。
なのである程度、税金とチップも含めて予算計算しないと思っていたより消費してしまうことになります。
アメリカに来た当初、私は、税込み価格に15-20%のチップをかけて計算していました。
なぜならレシートに合計金額が大きく書かれているので自然とその数字ベースに暗算してしまっていました。
しかし税抜き価格に対してのパーセンテージで計算すればOKです。
また、そんな計算が面倒なことも読み取って、御会計時のレシートに『15%なら$○○』『18%なら$○○』と丁寧に書いてある場合もあります。
、、、で、そんなチップの手間もあるので、お会計は一手間かかります。
「お会計頂戴!」と言って、カードでピっとやって終わることはなく、そのあとに必ずチップ入力画面なりレシートに書かなければならないので、それが意外と面倒というか、効率悪いなと思いますが、どうしようもありません。
私は結構な確率で、レシートにチップ額を書くまではいいものの、サインするのを忘れそうになります。
また、通常チップ額と合計額を書くのですが、お客さんの計算間違いで合計額が違っていることも多々あります。その時は状況に応じて判断します。
実はオーストラリアの方がアメリカより進んでいる
そのようなこともあり、オーストラリアでは当たり前のように使っていたお財布携帯、スマホにカードの情報を入れて、カード自体を持ち歩かない。
ということがほぼ不可能なのです。常に実物の[カード]、そして[念のための現金]を持ち歩いています。
最先端アメリカのくせに、なんかまどろっしくてオーストラリアの方が効率いいなと思いました。
*それ以外にも、意外にもアメリカよりオーストラリアの方がシステムがスマートで、効率の良い社会というのを感じることが多いのですが、それは、また今違う機会に話します。
まあとにかく、アメリカは意外と不便。というのが今のところの感想です。
レストラン以外のチップは!?
ちなみに、美容院でもチップを払います。
病院はどうなのかというと、チップはないそうです。手厚い看護をしたからチップがもらえるんじゃ、、、と思ったのですが、現役看護師に聞いてみると(その人の職場に限るのかもしれませんが)、
病院に来る人は、低所得の人ばかりで、ヤク中などちょっとイカれている人がほどんどらしく、チップをもらうどころか、殴られたり罵倒されたりするそうです。
貧しい人は国が補償してくれるシステムがあるらしく、だからこそしょっちゅう病院に来るみたいで、税金払っていない患者と、ちゃんと税金払ってステータスのある患者が同じ部屋で入院している、、、なんてこともあるみたいです。
認知症の介護施設よりもひどい環境かもですね。
以上、
国が変われば文化も違う。『郷に入っては郷に従え』というのを身に染みて感じました。
また「住んでみないとわからないことってとても多いな」と感じました。
【自由の国アメリカ】という言葉は、「なるほど、そういう意味の“自由”ね」ということがよくよくわかりました。
【自由】と言うより【無法地帯・なんでもあり】という言葉の方が適切な気がします(笑)。その分チャンスもあるというのもある意味正しいかな、、、