こんにちは、ひで蔵です。
今回は、何の変哲もない「天気が良かったので走りに行った」という話です。
さきの金曜日は、オーストラリアでは、グッドフライデーという祝日。街はひっそりとしていた。
爽快な空を見た途端、走りたくなった。最近は短い距離を走ることが多かったので、ちょっと長めの距離を走ることにした。
どこ行こうかな~。
といっても、私のロングランは大体決まっている。家からずっと東に進み、おもに海沿いに走って、人気スポットのワトソンズベイまでとりあえず行くことに。
街を離れて海沿いになると、天気もいいので人が多い。カフェなどは行列もできていた。
昔はグッドフライデーになると、どこもかしこも閉まっていてひっそりとしていたんだけどな…あ、「昔は…」なんてことを言い出すのは年をとった証だな。
水上飛行機の拠点でもあるローズベイでは、ちょうど飛行機が離陸するところだったので立ち止まって見物。海上をするすると走る飛行機はそれほど速度があるとは思えないのだが、ひらりと水を蹴って空にぽかりと浮かんでいった。
しばらくすると、道を離れてハイキングコースに入る。ここからもはるか向こうに街のビルが浮かび上がる。ところどころにある小さなビーチにも、人があふれていた。皆楽しげにリラックスしている、そんな横をはあはあと息を切らせて走るのもちょっとなんだかな、という感じだが、まあいいか。
ワトソンズベイも人でギッシリで、有名なフィッシュアンドチップス屋には長い行列ができていた。揚げ物の香ばしい匂いが漂う。お腹すいたな~。
どうせここまで来たのだからと、もう少し先にあるSouth Headまで走る。
ここは、シドニー湾の入り口。対岸にはマンリーが見え、ここからもシティの町並みが見える。釣りに行くと思しき船も外海を目指している。
ここで持ってきていたりんごを丸かじり。ああ、果汁が喉にしみる。
しばらく海からの風を受け、潮気のある空気を吸い込んだあと、ワトソンズベイに戻る。
はて、ここからどうしようか。折返しで戻るのはつまらないし、バスに乗って帰るのも時間がかかるのでかったるい。
…ボンダイビーチまで行くか?もうずっと行ってないもんな。
ま、ランナーってだいたいこんなもんです。そのまま海沿いに南下し、ボンダイビーチを目指す。
こちらは外洋に面しているので、海からは切り立った崖になっていて、そこに荒い波が打ち寄せている。下を見ると、かなり怖い。
このへんで結構バテてきた。しかもこの区間、アップダウンが激しい。まあ今日は速く走るのが目的じゃないんだし…と、上り坂では歩くことに勝手に決めた。
それにしてもかなり暑い。もう4月なんだし、最近は朝晩もぐっと涼しいので油断していたが、天気予報を見るとなんと27度。ちょっと頭がぼうっとしてしまった。こりゃイカンと水分補給。
やっと最後の丘を越え、眼下にボンダイビーチが広がる。黄色っぽい砂に、青緑の海の色。ボンダイブルーだな。
それにしてもかなりの人出だ。夏のビーチ特有の、あのうわっとした音の洪水。ここでは誰もが楽しそうだ。
いい加減バテたので、この日のランはここで打ち止めにし、ビーチ帰りの乗客でごった返すバスに乗り帰途についた。
走行距離、22キロ。きれいな景色を存分に見ることができ、身体はへたばったけど心は逆にふわりと軽くなった。