アレ、打ってきました。

こんにちわ、初冬の青空がすがすがしいシドニーから、ひで蔵っす。

いやー、打ってきましたよ、ワクチン。

今回はその過程を備忘録的に書いてみます。

私はここオーストラリアではワクチンを受けられる年齢カテゴリーに入っている。でも接種するかどうかはちょっと迷った。

色々悪い噂があるからね~。

特にオーストラリアの場合、市中感染がほぼゼロだからそんなに焦って打たなくても安全といえば安全だし。でも、私のようなホテルで働いている身としては、毎日多くの人と顔を合わせているわけなので(夜勤だからそうでもないか…)、やはり打っていたほうが自分にも他人にもいいかなあ、と思う。

それからホテル的にいうと、今のメルボルンのようにロックダウンになるとやはりショウバイに影響出るから、多くの人に打って欲しい、というのも正直な心境。

私だって、ワクチン打てばすべて解決!というほど能天気ではないが、色々なプラスマイナスを秤にかけた上で、エイヤ!と決心し、予約を入れた。

ワクチンはGP(開業医)でも受けられるが、私の近所には適当な場所がなかったので、オリンピックパークに設けられた大規模摂取センターの予約を取った。

予約は全てオンラインで、するすると進められ、完了すると確認メールが送られてきた。このメールにはQRコードが添付されていて、これを当日使うというわけですな…。

さて当日。どうせその日はもしかしたら出る副作用にそなえて何もしないことにしていたので、夜勤明けの眠い頭を引きずりながら会場へ行くと、かなり長い行列ができていた。会場が開く最初の予約スロット(朝10時)だったし、やはり最近のメルボルンのアウトブレイクのせいで、「やっぱワクチン受けとこ」と思う人が増えたのかなあ、と思って列の最後につく。

係員の人がマスクを配りながら、みなのカテゴリーをチェックしている。私の番になると、

「あ、あなたはアストラゼネカね、じゃああっちの列」と、番号の書かれたシールを服に貼られ、全く列のない方へ回された。

そう、オーストラリアではワクチン差別(?)があって、私が受けられるのは、なにかと問題のある(らしい)アストラゼネカ君。行列ができていたのは、それよりもまし(らしい)な、ファイザー君だったのか。

うーむ、姉妹のうちのできの悪い方を結婚相手に押し付けられたような気もするが、まあいいや。順路に従って建物の中に入ると、この建物はもともと何だったんだろう?大きな多目的センターのような感じで、人は多いがスムーズに流れているようだ。要所要所に蛍光ベストを着た係員がいて、誘導してくれる。それに従うとチェックインの機械があり、メールに付いていたQRコードをスキャンして、整理券をもらう。

自分の順番が来るまでは待合スペースで待つのだが、椅子が碁盤状に間隔を空けて並べられていて、自分が碁石のように座って順番を待つ。前方にはモニターがあって、番号が呼び出されてる。大きな病院の待合室といった雰囲気だ。

番号は結構速く進んでいき、あっという間に自分の順番になる。気が付かなかったけど、自分の携帯にもちゃんと、どこそこのブースに行ってね!というメッセージが入っていた。

同じフロアのブースに行くと、看護師がズラッと並んでいて、指定されたブースに行く。あ、ブースというか、まったくオープンスペースだったけど。

担当看護師と、しばらく問診をする。自分の健康保険番号、住所、既往症の有無などだ。

既往症なんて英語だから正直良く分からん言葉が多いが、ネットで予約するときにも答えたし、そもそもアレルギーなどはない人なので全部NOと答えてやり過ごしたが、不安な人は予め予習するなりして準備したほうがいいかも。

さて注射ということで、ワクチンが入った注射器を見せてくれ、どんなワクチンか、有効期限(自分の分は、その日の午後6時が期限切れだった)といったことを口頭で説明された。

ではでは!リラックスしてね~、と言われ、上腕部にぶすり。意外と痛くなかったなあ…。

それが終わると、接種した時間のステッカーを服に張られ、その横の待合スペースで15分間待機。そこでは看護師が何人か巡回していて、問題がある人がいないかをチェックしていた。

それにしてもこの一巡の流れ、めちゃくちゃスムーズでびっくりした。オーストラリアというとだいたい何事もアバウトというかルーズというか、という印象があるのだが、ことコロナ対策は緻密。こんなに多くの人が来ているのだから、いわゆる密になる可能性も大なのだが、それもなかった。

また、ここまで接した看護師や係員も、いろんな人種の人がいるなあ…とここもオーストラリアらしい。注射した看護師はベトナム人のようだったし、待合室の看護師も、英語のアクセントから察するに東南アジアだったりインド系だったり…おもしろい。

15分経って何もなかったので、「帰っていいよ~」と言われて無事開放(?)。全過程30分程度だった。

 

さて、恐れていた副反応だ。

色々聞くところによると、ほとんど影響が出なかった人もいるし、かなり苦しんだ人もいるという。どちらにしても、すぐには出るものではないようで、12時間後くらいに出るらしい。

私の場合もまさにそれだった。

接種後しばらくは、たしかに注射器が刺さった場所は違和感があるけど何も出来ないというほどでもなく、普通にお昼を食べ、なんならビールだって飲んだ(アルコール禁止!というお達しはなかったし…)。

で、その晩就寝したのだが、やはり接種してから12時間後の夜10時頃に体調の変化が。

その晩はやはりいろいろ考えたし、注射を打った腕は重いしで眠りが浅かったのだが、うわ~、だんだん熱が出てきたわ、という感じで目が覚めた。そして、頭痛も始まった…。

これらの症状は、”common side effects” とリストされているし、他の人からも聞いていたので予期していたが、予期しているのと実際自分の身体がそういった状態になるというのは別問題だ。

熱を測ってみたら、ぐんぐんと体温が上がり、38度になった。私の平熱は36.5度なのでこれは高熱だし、最近このような熱を出したことはなかったので、やっぱりすごいなあ…。

熱はまだいいが、頭痛がきつかった。

よく、頭が割れるように痛い、とか、英語だと”splitting headache”とか言いますが、正にそれ。これはどうすることもできなかったので、とにかく寝床で四苦八苦し、嵐をやり過ごすかのようにひたすら耐えていた。

頭痛は波の満ち引きのように軽くなったりまた強くなったりを繰り返し、だいたい5-6時間続いたかな…。これがいちばんしんどかった。

それでも、「これは副反応だから、しばらくすれば引くはずだ~!」と自分に言い聞かせていると、徐々に痛みが軽くなり、明け方にはしばらく眠ることができた。

…次に起きたのは朝の10時頃だった。

まだ頭痛はあるが、それ以外は問題がなさそう。また熱を測ってみたら、ぴったし平熱に戻っていた。

これは、本当にホッとした。

その晩は友達とご飯を食べに行き、お酒も飲んだのだが特に問題なし。

翌朝も恐る恐るランニングに行ったが、途中行き倒れになることもなく無事に11キロほど走って帰宅した。

 

…という私のワクチン体験。正直第二回目のことを考えると気が重いが、しばらく先(8月下旬)のことだし、問題なく割合短時間で復調できたから良しとしよう(今のところは、ね…)。

脅かすわけではないけど、ワクチンを打つとこうなる可能性もある、という参考にしていただければ、と思います。