ひで蔵さんの寄付つながりで、寄付じゃないけど、僕もちょっと“いいこと”書こうかと思います。
今は、ロックダウン中なのでやってないけど、今年になってから、毎週“とあるコミュニティ”に参加しています。
どんなコミュニティかというと、
目の見えない人と一緒に歩いたり、走ったりするコミュニティです。
私は目が見えるので、Guide(ガイド)という立場で参加させてもらっています。
何をするのかというと、
盲目の人とか、体が不自由で一人では歩いたり走ったりできない人のそばにいて、段差があったら、お知らせしたり、リードのような紐で誘導したりして、安全にサポートするというものです。
発端は、友達からの紹介でした。
ちょっと前の記事でも触れたけど、それは最後に紹介するとして、ここでは、そのコミュニティについて書きます。
「Achilles」というオーストラリアの主要都市で活動している団体です。Achillesってアキレス腱の「アキレス」だけど、英語で聞いたまま文字にすると「キラーズ」ってみんな言ってる。
最初全然、何言っているのかわかんなかった。「キラーズ」ってなに?って聞いたら、相手も???みたいな顔してた。発音って実際に聞くまでわかんないですね。
「キラーズ」は、さっきも言った通り、目が見えない人の集まりで、さらに「運動したい!」って人が集まります。
色々な人がいて、毎回ガチで走る人もいれば、ゆっくり歩く人もいます。
毎週日曜日、朝8時から、時間は約1時間。ボタニックガーデン、オペラハウスあたりを歩いたり走ったりします。
歩いたり、軽いジョギング程度なら、会話しながらですが、マジ走りの場合は、ただただ走るだけです。猛スピードで走るので、そのランナーとペアのときは、結構疲れます。
このグループには、だれでも参加できます。
僕は、この活動に関しては、「ボランティア」という言葉はあまり好きじゃなく、「奉仕」とか「貢献」とかの精神ではなく、単純に、楽しく元気になるから毎週参加しています。
国籍はバラバラで、年齢も幅広いです。アジア系は少ないです。みんなとてもエネルギー溢れて、元気です。
フルマラソンや100㎞マラソンを走っている人とかも結構いて、驚きます。ガイドの中には、プロの有名なマラソン選手も参加しています。(僕は全然知らなかったけど)
最初は、メチャクチャ不安でした。
目が見えない人のサポートなんて、したことがなかったし、さらに英語なんて、なんていえばいいのかわからない。
ちょっとした段差や、日陰、曲がる時や上りや下り、対向車や人とすれ違う時、水たまり、細い道。
それらを瞬時に説明して、誘導して、安全に走ってもらうので、転んだり怪我したらどうしようとか、すごく不安になります。
もちろん最初から、マンツーマンで一緒に走ったりするわけではなく、ベテランのガイドさんと一緒に、ゆっくり回数を重ねて慣れていきます。
僕も、まだまだ全然ですが、なんとか一人でもできるようになってきました。(ガイドの人数が多いので、だいたい目の見えない人1人に2~3人つきます。たまに1人の時もあります。)
(↑一緒に走ってる写真、左が僕。小さい輪っかの紐を持ち合っています)
僕は、こういう時、後先考えずとりあえず行動します。勢いと興味だけで動きます。盲目の人と接するのも、ガイドするのも経験がないけど飛び込みました。
そんな僕ですが、回りのみんなはとてもやさしく、毎回毎回、得るものが多く、良いエネルギーをもらえます。
だから僕は、ボランティア・ガイドしているという意識はなく(というよりちゃんとできていないので、そんなことを思うのもおこがましい)、
それ以上に、周りのみんなの生き方や考え方を垣間見れて「こんなすごいひとたちがいるんだ」と毎度感心させられます。
そのたびに「僕ももっと頑張らないとな」と励まされているような感じで、元気が湧いてきます。色々なことに挑戦しようと思えます。ヤル気もでてきます。
でも本当にありがたいです。
僕には、経験もなく、言語でも壁があるから、目の見えない人にとって、僕のガイド時はかなり不安だと思います。
英語は聞き取りづらいと思うし、慣れてもいないので、たまにインフォメーションを忘れて、つまづいたりすることもあります。
でも、どんな時も、だれもがみんな優しく、
「大丈夫だよ」とか「英語わかんなくても、何かしゃべってきたら「何かがある!」と予測できるから、気にしないで」とか「見えなくても、走り慣れているから、なんとなく予想できる」みたいな、
慰めやら、ありがたい言葉をかけてくれて、毎度助かっています。
と同時に、もっとちゃんと説明できるようになろうと、頑張る意欲にもなります。
正直、思い起こすと、まともにこのような活動をしたのは初めてでした。
そして、やってみた感想として、
与えているもの以上に、得ているものの方がはるかに大きい
ということがわかります。
そういう意味もあり、毎週欠かさず行っていましたが、ロックダウンで、お休みなのでとても寂しいです。
組み合わせによっては、たまにガチ走りもできて疲れるときもありますが、良い運動にもなります。
この話はこちらでもしています。
【目に見えない世界】https://sydneyplatypus.net/2021/04/19/blind/
このような経験って、なかなか手に入れることができません。世の中、探していたもの、必要なものなど、実は目の前にあるのに、見えていないことが多いです。こんなことを目の見えない人達と走りながら感じました。
そして間違いなく、自分自身の成長にもなり、人生において、とても大事なターニングポイントにもなると思います。
もっと色々話したいことはあるけど、また今度。
ということで、もし興味があれば僕に連絡ください。紹介します。普通に良い運動にもなります。
最初の1~2回参加するだけで、自分の世界観がガラっと変わります。
それくらい目の見える私たちにとっては、信じられない世界です。
*初回はイントロダクションと予行演習。2回目以降は、参加の時にWalk, Jog, Runのどれがいいかを選べます。