長年の封印を解く

今回は「あんた何やってるの?」って言われそうですが、

ここ最近、勉強仕事で忙しくしている合間に

とっても懐かしい“特技”を披露したので、このブログに記録として残しておこうと思います。

 

手品(マジック)好きですか?

僕は手品が趣味でした(過去形)。

クローズアップマジックを得意としていました。

『クローズアップマジック』とは、テーブル上で行うようなマジックで“テーブルマジック”とも言われたりします。

これはトランプやコインなど、小人数相手(1人から5人くらいまで)に行う手品です。

 

今はしていません。

 

これまで僕は、10年以上もの間、手品を封印していましたが、

この前、研修していた施設で「手品をしてほしい」と上司に頼まれ、マジックショーをしました。

30人くらいの前でステージマジックです。

 

『ステージマジック』とは、いわばイリュージョンや人体切断など、おおがかりな手品が想像しやすいです。

初めて大勢の前で披露しました。(道具はないのでたいしたことはしていません)

 

もちろんここはシドニーなので相手はほとんどオーストラリア人(お年寄りが多い)

 

まあ、色々失敗はしたけどなんとか終わったのですが、

今回は久しぶりに手品をしたので、僕の視点からの「手品」について書いてみたいと思います。

 

 

手先が器用だから手品ができるわけではない

まず知っておいてもらいたいことがあります。

 

僕は料理をします。ピアノも少し弾けます。そして手品もします。

 

このように聞くと、大半の人からは、

「手先が器用だね」

「指先が美しい」

「やっぱセンスあるよね」

「多趣味で才能があっていいな」

とお褒めの言葉をいただきます。

 

でも正直、

自分で言うのも嫌ですけど、どちらかというとかなり中途半端だと思っています。

僕は器用でもセンスがあるとも才能を持っているとも思っていません。

 

まぎれもなく、それら全ては「ただただ、黙々と練習したから」です。

 

つまり結局は「やればだれでもできます」と言いたいです。

ただ単に「好き」という理由もあります。だから継続して頑張れます。

 

特に僕にとって、料理、ピアノ、手品の3つは(他にもゲームとかマンガとかもあるけど)

一度始めると時間を忘れて没頭する可能性があります。

*バイクも好きですがスピード狂なのでやりません。

 

ただ他に勉強したいことがあるので、なるべく触れないようにしています。

とか言いつつも、昔から一つのことに集中できない性格なので、たまに気晴らしに

キッチンには立つし(料理は結構毎日やる)

ピアノ系のYoutubeを見たり

手品の最新情報を入手したりしています。

 

 

マジシャン視点からの手品

手品は、男性はあまり好きじゃなく、女性は好きな人が多いです。

 

僕は基本男性相手に手品はしません。女の子大好きというのもありますが、他にも理由は明確で、

男性は手品を見破る目的で挑んでくるからです。しかし女性はその場を楽しむ気持ちで見てくれる場合が多い。

 

全員がそうではありません。

しかし確率で言うと、そう思います。

 

この違いの理由はなんとなくわかると思いますが、基本「男性はプライドが高いから」です。

 

自分で言うのもなんですが、僕もまあまあ頑固です。

だから男性相手に手品をする時、

絶対に見破られない、タネも仕掛けも無い(もしくは見つけることがほぼ不可能)手品をして、相手の男性の悔しがるところを見るのが一つの快感でもあります。

 

実際、昔の職場で、

いつもガミガミ口うるさい先輩に、絶対に見破られない手品を披露して悔しがって怒り出してその場を立ち去らせる

という、いやらしくも性格の悪いことをしたこともあります。(仕事で怒られた分、手品でやり返す(笑))

 

ただ、これだと自分も心底手品を楽しめないので、通常、手品を披露する相手は慎重に選びます。

 

 

テクニックや現象に固執しても面白くない。

僕は一時期、本気で「マジシャン(セミプロくらい)になろうかな」と思ったくらい、ドハマりしていた時があります。

だから、ありとあらゆる手品を勉強していたので、TVでやるマジックの種や仕掛けのほとんどは知っていました。

 

もちろん手品やる人や、手品好きの人のためのコミュニティやマジックショップもあるので、

そんなところに通っていれば自然と情報が入ってきます。

特に手品する人って、アキバ系のオタク並みにコアな人が集まってくるので、基本怪しい人が多いです。

 

しかもコミュニティが超狭いので、

日本にいた時は、テレビによく出て来るような超有名マジシャンとかにマジックショップでばったり会うなんてことはザラにありました。

また、ここだけの話ですが、

例えば、手品をする人達には、特殊な共通言語があります。手品の共通言語は英語が多いです。

たとえば、あるマジックショップに行ったとき、

店長さんに

 

「バイシクルのノーギミックのレギュラーで、トライアンフしたいんだけど、エルムズレイカウントとか難しいテクニック無しのダイバーノンがやりそうな、なるべくクラシックなものってありますか?」

 

たぶん知らない人は、何言っているのか全く理解できないと思います。

このように、手品している人にはわかる単語で質問したりすると、速攻仲良くなれます(笑)

「○○の技術と△△を融合したような、あの××(商品名)に近い道具探してるんだけど」

みたいな質問をすれば、奥からガサゴソ探して、いくつか見せてくれます。

多くの人は、手品の種を知りたくて、どんな仕掛けなのかという点に興味があり、手品の種(ネタ)を買って満足する人は多いです。(若干僕もその気はありますが、、、)

 

マジシャン視点からだと、

仕掛けがどうのこうのではなく、実際に演技することを想定して、お客さんにどんな反応を求めているか、どのような効果を演出できるかに焦点を当てています。

だから、店員(店長)さんもそれがわかっているので、購入する前の段階で、たとえ買わなかったとしても手品の種を全て教えてくれたりします。

 

それを見たうえで、

「あーこの仕掛けなら、このタイミングで使えるな」とか

「これはちょっと不自然に見える可能性があるからパスしとこ」という判断ができます。

 

だから僕は基本、よほどのことでない限り、

ネットや百貨店のおもちゃ屋さんなどで手品グッズを買うことはなく、ちゃんとしたプロ専用の店に直接行き、吟味して買います。(でも百貨店の手品売り場にもすごい店員さんも結構います)

また、一番良いのは、マジックショップのおっちゃんは、当たり前ですが手品が好きです。

商品のほとんどすべては演じることができるので、演じる時のポイントなども細かく教えてくれます。

 

例えば、「これは説明書にはないけど、この部分を人差し指ではなく中指でホールドしたほうが効果的だよ」と超細かい部分を教えてくれます。

 

そしてネタを仕入れたあとはひたすら家で一人ひきこもり。

鏡の前でぶつぶつ言いながら練習するのですが、

 

特に僕が若いころ、

周りの友達は、カラオケ行って、居酒屋で飲んではしゃいで、合コンして、恋愛して、、、などの貴重な青春時代を、

 

僕は仕事以外は、一人引きこもり手品の練習に充てていたので、当然友達もいませんし、怪しい人扱いしかされません。

さらに特殊な人(手品好き)としか交流が無いので、手品は上手にできても、基本、人との交流が少なくコミュ障になるので、

気になる女の子に手品をしてもそこから友達以上の関係になることはありませんでした。

 

つまり、「手品をすれば、女の子に興味を持ってもらって仲良くなれる!」という下心が多少なりともあったのですが、

結局手品をして「わーキャー」言われますが、興味があるのは手品なだけで、僕に興味を持つ人はいませんでした(泣)

そもそも普段は「トランプかコインが友達」で、コミュニケーション能力が超低いので、

女子に限らず、手品は楽しんでもらっても、その後進展することはまずありません。

というのが、若かった時の僕でした。

 

 

話は戻りまして、テクニックや見破られないことに固執するあまり、一時期あまりにもマニアック過ぎて、

見ている人が

「手品の不思議さについていけない」「不可解すぎて怖くて泣き出す」という事態が発生したこともあり封印しました。

 

また、今は練習していないので、技術も衰えたので、わかりやすい簡単な手品しかできません。

そして今は完璧を求めません。だから失敗もたくさんします。

 

結局は、

見破るか、見破らないかというような手品ではなく、楽しませる手品をやるのが双方にとってハッピーだということに手品から離れて気付きました。

 

 

そして今回のマジックショーも、たくさん失敗したものの、皆様の反応はとてもよかったのであります。

 

おわり