<<短編>>
雨が続くある日の会話。
大雨のため、部屋の一か所からポタンポタンと水滴が漏れていて、それをガラスの花瓶で受けていると、部屋にその水の滴る音だけが響く。
突然彼女が言った。
「雨音はショパンの調べ」
僕がとっさに出た言葉は、
「ショパンってこんな雨漏りの音を聴きながら音楽を作ったんだね。ショパンの時代って音楽作れちゃうくらいたくさん雨漏りしていたんだね。『雨漏りはショパンの調べ』か、、、。」
彼女は言った。
「【 “雨漏り”はショパンの調べ】じゃないから!ショパンはそんな雨漏りする部屋に住んでないと思うし。“雨音(あまおと)”だから笑」
僕はその時、本気で“雨音”ではなく“雨漏り”と勘違いしていた。(*もうひとつの勘違いは、『雨音はショパンの調べ』をショパンの曲だと思っていた、というアホさ加減)
、、、雨がつづくシドニーの最中、爆笑された話です。
<後日談>
ちょっと気になってYouyubeで「雨音はショパンの調べ」を検索して聞いてみると、
曲名は知っていたが、実際には聞いたことなかったことに驚く。
原曲は「I like chopin」
全然ちがうやん。
僕には響く曲ではなかった、、、
以上。