こんにちは、夜勤した直後に走りに行って来ました、ひで蔵です。
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昨晩、仕事の夢を見た(あ、いちおう確認しておくと、寝るときに見るほうの夢です)。
ところで、仕事の夢を見る人って結構多いと思うけど、なんか損した気になりません?
なんで体を休める時間なのに仕事をしないといけないんだ!と思う。
でも、変な夢だったなあ…なので、ちょっと物語風に再現してみよう。
ホテルのロビーで僕は働いていた。もう深夜、ホテルは寝静まっている。
すると、客室から電話が入った。
女性の声で、「私のじゃない荷物が部屋に入っているんだけど」と言う。
こういうことは、ホテルではたまにある。忙しい日には何百個の荷物を移動させているのだから、あってはいけないことではあるが、人間がやっている以上避けられない。飛行機のロストバゲージと同じだ。
「それは失礼しました。いまからお伺いしてその荷物を回収させていただきます。」
僕はそう伝え、デスクを離れてエレベーターに乗り、客室へと上がった。
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廊下は照明が落とされ、すべての輪郭がおぼろげだ。香水のような香りがふわりと漂う。
連絡が来た客室の前に立ち、ベルを鳴らす。ドアの向こうでその音がくぐもって聞こえる。
「フロントスタッフです。先程お伺いしたお荷物を取りにうかがいました。」
しばらくするとドアが少しあき、小ぶりのスーツケースが押し出された。ゲストはドアの背後に隠れていて、顔も見えない。
「あの、お客様のお荷物は届いておりますか?もしそうでないのなら、お調べいたしますのでもう少し事情を聞かせてもらえませんか?」
…ドアの向こうは無言だ。相変わらず姿はチラとも見えないし、そもそも人の気配さえ薄い。
ほんとうに、このドアの向こうに人がいるのだろうか?
僕の背中にじわりと汗がつたった。そんなバカな。気を取り直し、もう一度声を出す。
「何もお伝えいただけませんと、こちらでもお客様の荷物を探すのに支障が出るかもしれませんが、それでもよろしいのでしょうか?」
相変わらず無言だ。ゲストの中には時々、こちらのミスに立腹した挙げ句、もう話もしたくない、という態度を取る人もいる。この人もそうなのかな、と思い、ドアを閉めた。
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スーツケースを改めて見る。特別な目印もないが、かろうじてエアラインのバーコードラベルが付いていた。
ラベルの名前を見ると、あのゲストとは違う名前が印字されていた。はてコレは…。
ここで棒立ちになっていても仕方がないのでロビーのデスクに戻った。
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するとそのとき、玄関から制服を着たクーリエが入ってきた。僕が持って降りたスーツケースと似たものを持っている。
同時に、男性ゲストがエレベーターから出てきて、
「あ~、良かった!やっとオレの荷物が見つかったんだね」とうれしそうな声を出した。
これは…。納得がいった。急いでクーリエからひったくるようにスーツケースを取り上げ、名前を確認する。
予想通り、そこに書かれていた名前は、あの女性のものだった。彼女は、空港でこの男性の荷物を間違ってピックアップして、ホテルまで来たのだろう。
色々説明をするのが面倒だったので、僕はさりげなく男性にばれないように2つのスーツケースをまぜこぜにし、彼のスーツケースを黙って渡した。
まったくもう。
…という夢だったんだけど、でも実際、こういうことは起きるんですよ。空港のあのターンテーブルで回っている荷物は、誰もがピックアップできますよね。
国際線の場合はその後に税関などがあるのでさすがに気づくと思うけど(気づかなかったゲストもいたなあ…)、国内線の場合はその後のチェックが何もないので、そのままタクシーにでも乗ってホテルまで来てしまう可能性は十分にありえる。
ホテルに着いて、ゲストがそのまま荷物を持って部屋に上がった場合は誰のミスかは自明だけど、例えばその間にホテルで荷物を預けたり、ポーターに荷物を持たせたなんて場合は、ゲストはまずホテルのスタッフが荷物をミックスアップしたと考える。
…んで、こちらが無実の罪で怒られるんだわ。
とんだとばっちりなので腹立たしいが、まあそういう考え方をするのは、分かる。だってまさかこのワタクシが誰かの荷物を間違ってピックアップなんてするわけないじゃない!
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え~と、この話の肝は何かというと、荷物を間違えないでくださいね、という単純至極なことなんだけど。
もう少しプラクティカルな助言をさせてもらうならば、やっぱりスーツケースには目印なり名札なりをつけて、紛らわしくならないようにしたほうがいいです。加害者になるのはもってのほかだけど、被害者になるのも大変なので、
ま、今は旅行自体がほぼできない状況だからどうでもいいんだけどさ。
…というどうでもいい話でした!