おはようございます、ひで蔵です。
そろそろ仕事ネタを書かないとなあ~。
あれ?オレ、何をして日々の糧を得ていたんだっけ…?
ああそうだった、某ホテルでコンシェルジュやっているんだ…。
現在絶賛自宅待機中なので、忘れるところだった。
ということで、今回はホテルコンシェルジュとゲストのバトルについて!
バトル、などと書くと、歴史の教科書などに出てくる「ナニナニの戦い」を連想させるが、こりゃ大げさでした。
おおむねゲストとは礼儀正しく、仲良くやってますんで…(例外はあるが、まあここでは書けねえよなあ)。
先日のとみんごさんの文章で(まだ読んでなかったらさっさと読んでね!)、
「このお客様にはこの本かな」とか
「あの作家さんの好きならこの作家さんもお好きかも」とかとか。
本の持つバイブスと、
これまでの多くの本好きさんとの接客経験から、
読んでなくても、どんな感じの本っていうのが
なんとなーくわかるようになってきたんですねー。
と書かれていて、
そうそう!これってコンシェルジュ対ゲストの関係にも当てはまるよな~、とはたと膝を打ったわけです。
ホテルのコンシェルジュをやっていると、ホントさまざまな質問を受けるのだが、一番トリッキーなのが
「レストランのオススメ。」
(「今晩のディナー、どっかいいトコ予約してよ」…っていうアレです。)
常連さんならいざしらず、初めて会ったゲストが気にいるであろうレストランを短い時間で頭の中から呼び出し、簡潔に
、を説明しなくっちゃいけないんっすよ。時間と予備知識が限られている中での対応、ま~これが腕の見せ所でもあるんだけど。
この手の質問は「これが正解!」というのがないので、デリケートかつクリティカルだ。
旅行の楽しみは食べ物!という人も多いし、海外からはるばるいらした場合だと、シドニー(またはオーストラリア)で食事をできる回数も限られているわけで。
「あ~、今回のチョイスはイマイチだったけど、まあ、また今度!」
てな訳にはいかん。一期一会というと大げさだけど、貴重な旅の思い出につながるファクター大。
それから、「食べ物の恨みは恐ろしい」とも言うので、
「あのコンシェルジュの勧めに従ったばかりに、旅の最後のディナーが台無しになったわ!」
と思われたり、もっと悲惨なケースだとクチコミサイトなどで罵倒されたりした日には、かな~り凹みます(経験アリ)。
かようにして簡単そうで難しいレストランの推薦ですが、さて我々コンシェルジュはどのようにしてレストランチョイスをしているのでしょうか?
もちろん、ダイレクトに聞くのが一番なんだが、容疑者を尋問してるわけじゃないので、
「オイ、オメーは何を食いてぇんだ、言わんか~っ!」
という訳にも行かぬ。
なので質問はShort & Sweet にとどめる。
で、他にはどういった能力を駆使するかというと、人間観察力、洞察力です(大きく出たな~)。実際お客さんを見て(対面していない場合は声を聞いて)、
- どんなヒトなんだろう?
- こんなヒトはどんなものを食べたいのだろう?
- どんな雰囲気のレストランがお似合いかな?
- 予算はどんなもんなんだろ?
…などなどを推察し、こんな人ならこんなレストランか?とピックするわけです。
シドニーだと、(今はぜんぜん違うけど)世界各国からのゲストと対応するので、その難易度もちょっと高くなりますが、その場合はゲストのお国柄が分かっていると憶測をしやすくなりますね。
アメリカ人が好むようなレストラン、日本人が好むようなレストラン、ラテン系…などなど。
でも、これは両刃の剣で、あまり固定概念にとらわれてしまうと大外れ、ということにもなるので注意が必要。
たかが食いもん、されど食いもん。
ホテルコンシェルジュは無い知恵を絞って少しでもゲストがいい体験を出来るように努めているわけです。
この予測がぴたっと当たり、食事から帰ってきたゲストが満面の笑みを浮かべ、
「いや~、好みにピッタリ合っていたよ~、ありがとう!」
なんて言われると、
「してやったり」
とニヤニヤしてしまう。
(もちろん、純粋にゲストがいい体験を出来たら嬉しいんだけど)
これが好きで仕事をやっているんだな、と思う瞬間です。
(最後に、もしあなたがゲストの立場なら、できるだけ具体的に希望を言ってくれるとコンシェルジュとしてはとても助かります。そして良いレストランをチョイスできる確率が高くなり、Win-Win になりますのでヨ・ロ・シ・ク!)
その他諸々…
※誰が行ってもほぼ喜ばれるオールラウンダーレストランを知っていると良いバックアップになる。
※はりぃ氏のレストランに送っとけば間違いはない(ヨイショ)。
※コンシェルジュの裏技としては、2つほどオプションを提示し、最終決定権をゲストに委ねる、というのがある。
※他所のブログで、もっとくどくどと書いているので、お暇があればどうぞ。